指屈筋腱損傷(しくっきんけんそんしょう)は、指を曲げる屈筋腱というひも状の組織が切れて、自分の意思で指が曲げられなくなる状態をいいます。

手のひらや指を誤ってナイフで切ったり、作業中に機械で切ったりして起こります。

中には、ケガではなく、関節リウマチや手首の病気で屈筋腱が切れてしまうこともあります。

治療は、入院により、腱を縫い合わせる手術や、腱が足りない場合は体の他の部分から腱を取り移植する手術を、全身麻酔のもとで行います。

術後は、腱が周囲の組織とくっつかないように早期からリハビリテーションを始めます。数週間の入院が必要です。

リハビリテーションの方法は、外傷の状態、手術の方法、患者さんの状態、年齢などにより変わります。

縫い合わせた腱が充分に強くなるまでに3カ月程度かかります。その間は、指を強く握ったり、物を持ったりすることはできません。無理な力が加わると再び腱が断裂することがあります。