伸筋腱(しんきんけん)とは、指を伸ばす腱(すじ)のことです。この腱が、ガラスや金属などに触れたり、犬や猫にかまれたり、ドリルなどに指が巻き込まれたりして切れるのが、伸筋腱損傷です。関節リウマチや、骨折、手首の骨の変形などが原因で腱が切れることもあります。

腱が切れてから時間がたつと、元の腱同士を縫合することが難しくなります。

腱が切れると指が伸ばせなくなるのが普通ですが、伸筋腱の構造は複雑で、腱が切れても指を伸ばせることがあります。また、皮膚に損傷はなくても腱が切れていることもあります。

腱がいつ切れたのか、どの部位が切れたのかなどを問診します。X線検査で骨折や関節の変形を調べ、特殊なCTで腱の損傷を確認します。

治療は、腱と腱を縫合する腱縫合術か、腱同士の縫合が難しいときは他の腱を使う腱移行術を行います。

腱縫合術の場合、手術後は4週間ほど固定してからリハビリテーションを行います。

腱移行術の場合は、比較的強固な縫合ができるので、手術後すぐにリハビリテーションを行います。

腱が切れてから長時間たって関節が固まり動かなくなっている場合は、リハビリテーションで関節を動くようにしてから手術を行います。

腱縫合術、腱移行術いずれの場合も、手術後8週間は無理をしないようにしましょう。3カ月が経過しないと重労働は行ってはいけません。