手首(手関節)は8つの骨から構成されています。その1つが手関節中央部にある月状骨(げつじょうこつ)です。

キーンベック病は、月状骨の血流障害のため壊死(えし)する病気です。

手関節の痛みが徐々に強くなり、手関節の動きが悪くなり、握力も低下してきます。

根本的な原因は不明です。

手をよく使う仕事をしている20~30代の男性によく見られます。

診断をするためには、単純X線検査とMRI検査が必要です。

治療には、安静や内服薬による保存療法と手術療法とがあります。

初期の症状や、年齢的に若い人や高齢の人は、装具などで固定し手首を安静にする保存療法を行います。手の使用頻度を減らすと症状が軽快し、進行を予防することができます。

手術には、月状骨にかかる力を減らすための橈骨(とうこつ)骨切り術や、血流を再獲得するための血管束移植などの方法があります。

保存療法で症状が改善しても、月状骨壊死が回復するまでには時間がかかります。定期的な受診が必要です。

成年の場合は、手術が必要になることが少なくありません。保存療法で改善が見られない場合も手術になります。手術は全身麻酔で行うので、短期の入院が必要です。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • パソコンのキーボードや手を駆使する作業では、1時間に10~15分の休みをとりましょう。
  • はさみなどの道具を使って指に強い負担がかからないように工夫しましょう。