自分の関節を人工の関節に取り換える手術を人工関節置換術といいます。この手術のあと、感染が起こることがあります。特に糖尿病や関節リウマチなどの基礎疾患をもっていると、リスクが高くなります。

感染の原因は、術中によるものだけでなく、術後数年たってからでも歯科治療や外傷などから発症することがあります。

過去に手術を受けたことがある場合、毒性の弱い菌にすでに感染していて、人工関節置換術をきっかけに発症することがあります。

感染すると、手術した部位の皮膚が赤くなったり、腫れたり、うみが出たりします。

診察や検査の結果で、重症度を判断します。

治療には、保存療法と手術療法があります。重症度に合わせていずれかが選択されます。

一度感染を起こしてしまうと、細菌が人工関節の周囲に膜(バイオフィルム)を作ってしまいます。そのため、抗生剤が効きにくく、膜の中で細菌が繁殖してしまう可能性が高いので、一般には、手術療法が選択されます。時には、複数回手術療法が必要となることがあります。

感染の治療には安静が大切です。あまり無理をしないようにしましょう。

症状が治まっても、再び症状が現れることがあります。退院後も、医師の指示にしたがって受診してください。