頚椎捻挫とは、骨折や脱臼、神経損傷を伴わない筋肉や靭帯(脊椎軟部組織)の損傷です。
症状としては、頚部痛のほかに、頭痛、腰痛、四肢のしびれ、めまいなどの症状を伴うことがありますが、経過を見て、症状が重くなるようなら相談しましょう。
多くの場合、治療をしなくても、1カ月以内に症状は消えます。外固定やリハビリテーションなどの必要はありません。しかし、まれに難治性となる場合があります。
頚部の圧痛が強かったり、首を動かす範囲である可動域制限が強かったりする場合は、対症療法として鎮痛剤の服用や短期間の頚椎カラーの使用が行われます。
頚椎捻挫では脊髄・神経根障害は伴わないのですが、上肢のしびれや疼痛がある場合には頚椎MRI検査を行い、他の病気との鑑別を行います。頭痛や耳鳴りなどの症状が継続する場合も、必要に応じて頭部CTや神経耳科的検査を行います。