腰骨は5つの腰椎骨と1つの仙骨からなります。それぞれの骨の間には、クッションのような役目をする椎間板があります。腰椎椎間板ヘルニアは、腰骨にある椎間板が加齢や外力により変性し断裂して、髄核(ずいかく)といわれる中身が飛び出して神経を圧迫する病気です。

症状としては、腰や臀部の痛みから、下肢の痛みやしびれへと広がり、足に力が入りにくくなります。

比較的若い男性に多く見られ、悪い姿勢での動作や作業、喫煙などが原因となって起こります。

検査では、膝を伸ばして下肢を上げて坐骨神経痛の出現を診る下肢伸展拳上試験(かししんてんきょじょうしけん)や、下肢の感覚や筋力のチェックなどを行います。さらにX線やMRIの検査などから診断します。

多くの場合、薬物療法、温熱療法、コルセットなどの装具を用いた保存療法で症状は改善できます。痛みが強い場合には注射による局所麻酔や神経ブロック治療を行います。

麻痺が進行していたり、排尿や排便に障害が出ていたりする場合には、手術療法を行います。

手術療法には、顕微鏡下ヘルニア摘出術、経皮的椎間板摘出術など、いろいろな方法があります。

保存療法でも手術療法でも再発することがあります。姿勢や作業、日常生活に注意しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 悪い姿勢での動作や作業は避けましょう。
  • 喫煙は控えましょう。