頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)とは、骨、椎間板などの軟骨、靭帯などが、背骨(脊椎)の中に入り込んで脊髄を圧迫する病気です。

脊髄が圧迫されるため、手足や体を動かす命令系統の電気信号が流れにくくなり、しびれ、手足を動かしにくい、力が入りにくい、歩きにくい、排尿排便しにくいといった症状が発生します。

症状には多少、波があるものの、少しずつあるいは急速に進むことがあります。自覚できる程度に症状が進んだときは、治療の選択が大事になります。脊髄を圧迫したままで放置しておくと、寝たきりや車いすの生活になることもあります。

診察やMRI検査の結果、重症度を判定し、保存療法か手術療法を選択します。

症状がごく軽い場合は、薬物や頚椎装具による保存療法を行い、経過を観察します。中には、予防的に手術を受ける患者さんもいて、最終的に、最初に保存療法を選んだ患者さんの半数は、手術を受けています。

一人で歩けない、字が書けないなど麻痺が進行している場合や、脊髄の圧迫が重度で今後四肢の麻痺やしびれが悪化し、将来、寝たきり、車いすの生活になる可能性があるときは手術療法になります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 頚部を後ろに反る姿勢が症状を悪化させる原因となります。うがい、洗濯物干し、コンピュータ作業時に顎を上げた姿勢をとること、床屋のひげ剃りなどがこの姿勢に相当します。避けましょう。
  • 水泳は厳禁です。