脊椎はがんの転移の好発部位です。他の臓器から脊椎に転移してきたがんを転移性脊椎腫瘍といいます。
脊椎転移を起こしやすいがんには、乳がん、前立腺がん、肺がん、甲状腺がん、腎がんがあります。
がんが脊椎に転移すると耐え難い痛みを起こし、神経を圧迫することによって上肢や下肢に麻痺を生じます。
脊椎転移が見つかった場合は、全身を検査して他の転移がないかを調べます。
もともとのがんの進行具合と患者さんの状態によって治療法は決まります。
治療には大きく分けて放射線療法と手術療法の2つがあります。
放射線療法は転移がん部分に照射して痛みを緩和します。
手術療法は痛みや麻痺を改善する目的のものと、脊椎転移病巣を完全に切除する目的のものがあります。
麻痺がない痛みだけの場合は、腫瘍におかされた椎体にセメントを注入して椎体を補強する手術や脊椎に金属を入れて固定する手術もあります。
継続的な検査と治療が大切です。