透析性脊椎症は、長期の透析患者にみられる脊椎疾患です。

症状としては、慢性の頸部痛、背部痛、腰痛、手足のしびれ、疼痛、歩行障害などがみられます。

原因としては、透析に伴って生じるアミロイド沈着が脊椎の関節に生じ(透析アミロイドーシス)、脊椎の変性・変形が進むとされます。また、腎不全を原因とする骨の脆弱化や加齢的変化が関与するともいわれます。

透析歴がさらに長時間になると脊柱管狭窄を発症し、箸が使いにくい、書字がへたになる、歩行障害が生じるなどの症状がみられ、日常生活が不便になります。

症状が軽い場合は、経過を観察します。しかし、上肢の運動障害や歩行障害などの神経症状がみられるときには、X線検査やMRI検査と治療が必要となります。

保存療法では、頸部痛に対してはソフトカラー装着、枕の指導が行われ、腰痛に対してはコルセットの装着が勧められます。その他、姿勢指導、生活指導、運動療法などを行います。疼痛が強い場合には、ブロック療法(特殊な注射で痛みを感じる神経をブロックする)や薬が投与されます。

保存療法で改善できないとき、麻痺が進行して体が不自由になったとき、罹患期間が長いときは、手術療法を選択することがあります。

重症になると手術をしても回復しないことがあります。適切な時期に適切な手術を受けましょう。

手術にはいろいろな合併症を伴います。十分に医師の説明を受けましょう。