斜頚は、頚を傾けたり回したりするときの筋である胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)という頚部の筋の病気です。

胸鎖乳突筋の腫脹(腫れ)が原因です。この腫れが生後1カ月くらいで最大に達し、その後縮小し消失するので、90%の患者さんは1歳くらいまでに自然に治ります。

残りの10%に胸鎖乳突筋の拘縮(組織が収縮して運動が制限される)が残り、首が傾いたままになります。この場合は手術が必要になります。

膨脹した胸鎖乳突筋は傷つきやすいので、マッサージなどで無理に首を動かさないようにしましょう。

本人が自然に首を動かせるように、向き癖をなくして、上手に誘導しましょう。子どもの向いている方向と反対側から接したり、反対側に窓が来るように寝かせたりします。

1歳を過ぎても斜頚が残っていると顔面が曲がり、目や口の位置がずれて顔面側弯を生じます。向き癖だけならよいのですが、胸鎖乳突筋の拘縮が原因の場合は手術を選択します。