頚椎症性筋萎縮症には、遠位型と近位型の2つのタイプがあります。遠位型は手を中心に筋肉が萎縮し、近位型は肩を中心に筋肉が萎縮します。ここでは近位型を取り上げて解説します。

近位型では、肩を中心とした筋肉が萎縮して筋力が低下し、症状が重くなると、肩関節を上げる拳上や、肘の屈曲力が低下して日常動作が困難になります。

近位型は、首の椎骨の間を通っている頚神経の、第5または第6と呼ばれる頚神経が障害されて起こり約半数は事故やスポーツなどの外傷が原因です。

治療には薬などを用いる保存療法と手術療法があります。重症度によって治療法を選択します。

麻痺が進行している場合や、病気が長期に及んでいる場合、保存療法では改善が期待できない場合は、手術療法が行われます。

保存療法で一度症状が改善しても、非常にまれですが後に再発することがあります。日常生活では、上を向いて頚椎を後屈させないようにしましょう。頚椎後屈の動作を減らすと症状が軽快することがあります。

手術療法では、感染予防とその後の適切なリハビリテーションが大事になります。根気よくリハビリを続けましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 症状の進行を食い止めるために、頸椎後屈(上向き)を避けてください。
  • 脊髄圧迫がある場合は自動車の追突事故や額を打撲するなどの軽い外傷でも、四肢麻痺となり、寝たきりになる可能性もあります。事故には注意しましょう。
  • 上向きの仕事はやめましょう