脊椎に大きな外力がかかることによって、外傷や骨折などの損傷が発生します。
神経が障害された状態を脊髄損傷といい、感覚障害と運動障害(麻痺)、直腸膀胱障害(排泄排便が難しくなる)を生じます。
脊椎は脊柱(背骨)を構成する個々の骨から構成されています。体幹を支え、脊髄や神経根などの神経組織を内部に入れて保護する役目を果たしています。外傷や骨折によって、損傷がひどい場合には、体幹を支えることができなくなり、神経も損傷されます。
治療には保存療法と手術療法があります。診察や画像検査の結果、脊椎が不安定で、内部の神経を圧迫しているような、重篤な場合は手術を行います。
保存療法ではカラーやコルセットを装着します。外来受診が基本ですが、脊椎損傷を合併している場合は入院治療が必要になります。悪化を防ぐために、ステロイドの点滴注射を24時間かけて行うこともあります。
保存療法により安静を保っている場合でも、麻痺が進行する場合には緊急手術を行います。完全に麻痺した状態では、一般に麻痺回復は難しくなります。