股関節は、足の付け根にあって、足と骨盤をつなぐ関節です。歩くときに体を支える働きをしています。関節が滑らかに動くように、関節部分では骨の表面が軟骨でおおわれています。変形性股関節症は、この股関節の軟骨がすり減る病気です。

股関節の軟骨がすり減ると、股関節を動かしたり、歩いたりするたびに足の付け根が痛みます。

原因はさまざまですが、日本人の多くの場合は、骨盤側の凹みが浅いことが関係しています。

軟骨がすり減ると骨と骨との隙間が狭くなっているのが、X線写真でもわかります。

治療には、温熱療法や筋力トレーニングといった理学療法や薬物療法などの保存療法と手術療法とがあります。病気の進行度、反対側の股関節の状態、年齢、生活への支障の程度によって治療法を選択します。

痛みが強く、歩ける距離が短い場合は、手術を行う可能性が高くなります。保存療法で改善が見られない場合も手術になります。

症状の変化を調べるため、定期的に診察を受け、単純X線写真でチェックしましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 重いものを持たない、体重を減らす、杖を使用するなど、股関節に加わる負担を減らすと、症状が軽快します。
  • 水泳や水中歩行などで、股関節を支える筋肉を鍛えましょう。