大腿骨頭すべり症は、大腿骨頭が、頸部に対して後下方にずれてしまう疾患です。

原因は、成長を促す骨の骨端線である股関節近くの成長軟骨帯で不安定が生じて起こることによりますが、スポーツやケガなどがきっかけになって生じることもあります。また、ホルモンのアンバランスが原因になることもあります。しかし、原因不明の場合も少なくありません。

時間をかけて、徐々に慢性化することがあります。

成長軟骨帯は閉鎖するまで不安定なので、原則的には手術をします。痛みが軽い、すべりが軽度といって、放っておくと悪化することがあります。手術の方法は、すべりの程度や、慢性か急性かによって異なります。

手術後しばらくは、体重をかけないようにして過ごし、リハビリテーションを行うこともあります。

退院後しばらくは、運動などの制限があります。医師の指示を守りましょう。

もう一方のすべり症や大腿骨頭壊死、また関節機能不全によって炎症が起きるインピンジメント症候群などの合併症が生じることもあります。

定期的な受診が必要です。場合によっては追加の治療を行うこともあります。