ペルテス病は、幼児期から学童期にかけて発症する股関節疾患です。大腿骨頭骨端の血流が断たれ、骨端部が壊死します。

原因は不明です。病気は局部にとどまって全身病ではありませんが、骨端部が治癒するまでに通常2~3年かかります。

関節部の痛みにより跛行(歩くと足が痛くなり、しばらく休憩すると元に戻る症状)が、病気の初期に一時的に現れます。これは安静によって改善します。

X線検査やMRI、骨シンチグラフィなどを行います。

治療の第一選択は、装具を使用した保存療法です。治療の初期の一定期間は、脆弱になった骨端部への負荷を最小限にとどめるために、立位や歩行を制限します。

股関節の痛みにより可動域制限があり、装具を装着できないときは、約1カ月の入院が必要です。安静や牽引治療で炎症を消失させ、可動域を回復させてから、装着治療を行います。

装着後は1~2カ月おきに受診し、経過を観察します。その間、自宅では、医師の指示のもとに装具を装着しましょう。

9歳以上で、壊死の範囲が骨端全体にわたるようなときは、保存療法では予後が悪くなる可能性があるので、手術療法を検討します。

退院後の生活については、手術局所の状況と大腿骨骨端の回復状況に応じた指導が行われます。