大腿骨寛骨臼インピンジメントは、股関節の大腿骨側の変形や出っぱり、あるいは骨盤側の形態異常によって、股関節を深く曲げたりねじったりすると、大腿骨と骨盤が衝突して、関節の縁や軟骨を傷める病気です。

スポーツや外傷で急に起きることがあります。また、日常生活でもある動作や姿勢を繰り返すうちに症状が出てくることがあります。

普段は痛みがなく、症状を誘発するような動作や姿勢をすると痛みが出てくるのが特徴です。

検査は、股関節のX線検査やCT検査で骨の形態異常を調べ、MRIや股関節造影CTで股関節唇(こかんせつしん/股関節の縁部分の軟骨)損傷や軟骨損傷の有無をみます。軟骨損傷の程度が強いと予後は悪くなります。

治療は、最初に症状を誘発するような動作や姿勢をとらないように注意し、保存治療を行います。

3カ月たってもよくならないような場合は手術治療を行います。手術では、痛んだ関節唇の部分切除または修復と衝突の原因となる出っぱりを削ります。術後は歩行訓練などのリハビリテーションを行います。

保存治療、手術治療ともに、一度症状が改善しても、再発することがあります。