乳児化膿性股関節炎は、股関節に細菌感染が起き、関節炎を発症する疾患です。とくに、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)という耐性菌による感染の場合は治りにくく、予後が悪いといわれます。

原因は不明ですが、乳児など免疫が未熟な年齢に起こりやすい感染症です。

炎症が、股関節の成長軟骨(骨端線)に及ぶと、骨の成長障害や変形が起こり、歩行などに重い後遺症を生じることがあります。

後遺症が残らないようにX線検査やMRI検査による早期診断・早期治療が必要です。

治療はなるべく早く手術を行い、股関節にたまっている膿(うみ)を排出し、細菌の数をできるだけ減らす必要があります。入院して、緊急手術と抗菌薬の点滴治療を行います。

治療が遅れた場合には、股関節の変形や成長障害などの後遺症が出る可能性があります。

再発の可能性もあり、再度手術をすることもあります。