膝関節には4つの靭帯があります。

前十字靭帯損傷は、膝関節の前方安定性が損なわれて、運動時に膝崩れ(膝がガクッとなる)を起こします。

後十字靭帯損傷は、膝関節の後方安定性が損なわれます。はっきりした症状はありませんが、漠然と膝の不安定感を覚えます。

内側側副靭帯損傷は、膝関節の内側の安定性が損なわれます。内側の痛みとともに膝が外反し、膝崩れが起こります。

外側側副靭帯損傷は、膝関節の外側安定性が損なわれます。外側の痛みとともに膝が内反し、不安定性を覚えます。

どのタイプも、半月板や軟骨の損傷を合併する場合があり、引っ掛かりや関節の腫れ(関節腫脹)を起こします。

靭帯損傷の治療には保存療法と手術療法があります。損傷の程度と自覚症状の強さによって治療法を選択します。保存療法で満足な結果が得られないときは手術療法を行います。

手術を行う場合は、手術前にリハビリテーションを行い、膝の曲げ伸ばしが回復し、筋力が十分に保たれていることを確認します。

手術後は安静期間を経てリハビリテーションを開始します。その内容や時期は靭帯損傷の程度や手術内容によって異なります。

運動への復帰も適切な時期に許可されます。焦らずにリハビリに努めましょう。

手術をしない場合は、筋力トレーニングが中心の保存療法を行います。保存療法によって膝の不安定性を克服できても、慎重に運動を行う必要があります。