ジャンパー膝は、ジャンプやランニングを繰り返し練習するスポーツ選手によく見られる病気です。

膝の屈伸運動の障害で、大腿四頭筋の収縮が膝蓋骨(しつがいこつ/いわゆる“膝のお皿”の骨)、膝蓋腱(しつがいけん)、膝蓋靭帯(しつがいじんたい)の接合部に繰り返しかかることによって、腱に微細な断裂や損傷が起こります。

10歳代に多く見られる、使いすぎ症候群(オーバーユースシンドローム)の一つです。

ジャンパー膝の重症度は4段階に分けられます。

  • フェーズ1は、スポーツ活動時に痛むがスポーツに支障はない場合です。
  • フェーズ2は、スポーツ活動中や活動後に痛みがあるが、スポーツに支障はない場合です。
  • フェーズ3は、痛みが常にあり、スポーツ活動に支障をきたす場合です。
  • フェーズ4は、膝蓋腱が完全に断裂している場合です。

治療は保存療法が基本です。保存療法には、安静にする、大腿四頭筋のストレッチ、テーピング、サポーター、温熱療法、消炎薬・鎮痛薬の投与があります。

フェーズ1の場合は、スポーツ活動の制限はしません。

フェーズ2の場合は、スポーツ活動を制限します。

フェーズ3の場合は、スポーツ活動を休止します。

フェーズ4の場合は、保存療法で改善しないときは膝蓋腱の変形部分の切除などの手術療法を選択します。

保存療法でいったん症状が改善しても、あとで再発する場合があります。医師の指示に従い通院しましょう。