人工膝関節置換術後に大腿骨を骨折すると、治療が難しいことが多々あります。
X線写真やCTで、骨折部の状態や人工膝関節の機種とその周囲に緩みがないかをみます。
骨折が安定していて骨のずれ(転位)がわずかならば保存療法も可能です。骨癒合までに3〜4カ月程度かかります。注意深く経過を観察しましょう。なお、骨がくっついても、骨折をする前の状態よりもADL(日常生活動作)が低下することが予想されます。
骨折部の転位が大きい場合や、早く日常生活に復帰したい場合は、手術を検討します。手術治療では感染予防と術後の適切なリハビリテーションが大事です。
手術は、人工膝関節自体に緩みがあるようなら人工膝関節再置換術を行います。緩みがないときは、プレートや髄内釘による内固定術を検討します。
外来通院中は、医師の指示に従い、定期的な観察が必要です。
痛みが強くなったときはすぐに受診しましょう。