膝関節腫脹とは、膝関節を構成する軟骨、滑膜、靭帯、半月板などに炎症が起き、血漿濾過液(けっしょうろかえき)や滑液が増えて関節液が溜まり、そのために痛みや腫れが生じ、動きが制限される病気です。

健康でも3ccくらいの関節液はありますが、それが10~20cc以上になると関節内圧が増して、多くは痛みを伴います。急性の場合は関節液が50~100cc以上になることもあります。

原因としては、膝の変性疾患、リウマチ性疾患、化膿性疾患、腫瘍性疾患、外傷などが挙げられます。

検査では、単純X線撮影を行い、関節裂隙(かんせつれつげき)の広さと下肢のアライメント(姿勢・バランス・動き)を調べます。保存治療に反応しない場合にはMRI検査を追加することもあります。

腫れが軽い場合は、消炎剤を服用します。10~20cc以上の関節液があるときは、穿刺して水を抜きます。同時に原因を診断してその治療を行います。

水を抜いてもまた腫れるので、再度、穿刺しますが、必要ならヒアルロン酸やステロイド剤を注入します。

化膿性関節炎や関節内骨折では早期の治療が必要です。遅れると関節機能障害が残る可能性もあるため入院して治療します。

変形性膝関節症をはじめとする変性疾患は外来受診とし、BMIを調べて肥満に注意します。水泳など膝に負担がかからない適度な運動で減量しましょう。

リウマチ性疾患では、抗リウマチ薬を服用し、定期的な血液検査で炎症をコントロールします。痛風の場合は尿酸排泄剤や尿酸産生抑制剤などが処方されます。また、過労や暴飲暴食を控えることも大切です。