モートン神経腫はモートン病とも呼ばれ、前足部足底で神経が圧迫されて生じる絞扼性神経障害(こうやくせいしんけいしょうがい)です。

中年女性に発生することが多く、ハイヒールや先のとがった細い靴をはく習慣、土踏まずのアーチが下がっている開張脚や外反母趾が原因です。

症状としては、前足部の足裏から足趾にかけて、痛みやしびれなどがみられます。歩行や長時間の立位で症状が悪化し、重症になると、安静時にも足の痛みやしびれが出ます。

治療には保存療法と手術療法があります。

保存療法では最初に、モートン神経腫の原因を探り、症状を引き起こす靴をやめ、歩行時間や立っている時間をできるだけ短くし、局所の安静を保ちます。

痛みの場所を保護する中敷き(足底挿板)を使用したり、神経絞扼部に注射を打ったりします。

保存治療をして数カ月たっても改善の様子がみられないときは、手術を考慮します。

神経腫を切除する手術は、症状の改善が期待できますが、切除された神経の感覚が鈍くなったり消失したりすることがあります。足趾の感覚が低下あるいは消失した部分にけがや火傷をしないように注意しましょう。

保存療法で症状が消えても足部の変形が残っていたり、靴をはいたりすれば容易に再発します。局所の安静を心がけましょう。安静にしても改善しない場合は、再受診してください。