先天性内反足は、生まれつき足の裏が内側に向き、足首が上がらない内転、内反、尖足という3つの変形で固まった足です。

足の距骨(きょこつ:かかとの骨の上に乗っている骨)の前にある舟状骨(しゅうじょうこつ)が距骨頭の内側に強く落ち込んで、足関節が下に向いて固まっています。

原因は不明です。

症状の重さは、治療法のキャスト法に対する反応で判断します。重症の場合はかかとの脂肪組織が厚く、踵骨(しょうこつ)に触れにくくずんぐりしています。

自然に治ることはありませんが、適切な治療を行えば、正常な足の機能を得ることができます。治療には家族の協力が必要です。

治療法としては、ギプスにより変形を直していくキャスト法が確実です。ギプスによる矯正は生後3~4カ月が限度で、その後夜間は副子(ふくし:装具)を使用します。

キャスト法で矯正できない変形は、生後10カ月を過ぎてから手術をします。

ギプスの管理で大切なことは、循環不全に陥りやすいことと、ギプスが外れることです。以下の点に注意しましょう。
・足趾の色に注意し、趾先を抑えて赤みが戻れば心配はいりません。
・足趾が白っぽくなったり、赤黒くなったりしたときは受診してください。
・ギプスがずれて足趾がひっこんだときは巻き直します。
・ギプスは、初回は3~4日後に巻き直し、その後は1週間ごとに巻き直します。
・夏場は、ふくらはぎや太ももに膿化疹ができやすいので注意が必要です。