三尖弁閉鎖不全症とは、全身を巡って戻ってきた血液を肺に送る右心房と右心室の間にある三尖弁の閉まりが悪い病気です。

三尖弁閉鎖不全症があると、血液が右心室と右心房の間を往復するようになり、肺に送られていくはずの血液が渋滞し、身体から血液が心臓に戻りにくくなり、浮腫が出やすくなります。重症になると、肝臓や腎臓までうっ血して、これらの臓器の働きが悪くなることもあります。

この病気の裏に、心筋梗塞や心筋症、憎帽弁や大動脈弁の病気が隠れていることがあります。これらの基礎疾患の治療が重要です。

症状によっては手術が必要になることもあります。

浮腫に対しては利尿剤を使用しますが、これはうっ血を和らげる治療であり、根本的な治療法ではありません。

定期的に心エコー(超音波検査)をとり、心臓の変化を確認します。症状に変化が生じたときも、薬物療法の効果判定も、手術の要否の判断も、手術後の経過観察も、症状の変化と心エコーで判定します。

余分な水分を体内にためないように、日ごろから減塩食を心がけましょう。

浮腫の増悪、食欲低下、悪心、血圧低下、息苦しさが出たら、受診しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 食塩の摂取は1日8g以下を目標にしましょう。
  • 一回にたくさんの水分をとらないようにしましょう。