ヘモクロマトーシスは、肝臓、膵臓、心臓、皮膚、甲状腺、下垂体、精巣などの臓器に鉄が蓄積し、その臓器の機能が働かなくなる病気です。

遺伝子異常による遺伝性ヘモクロマトーシスと、何度も輸血したために鉄過剰となって起こる二次性ヘモクロマトーシスがあります。遺伝性ヘモクロマトーシスはわが国ではまれです。

肝臓の細胞への鉄蓄積による肝障害、膵臓のβ細胞への鉄沈着による糖尿病、心筋の障害による心不全や不整脈などの症状がみられます。そのほか、甲状腺機能低下症、性腺機能低下症、下垂体機能低下症などが現れることもあります。

血液検査や肝臓の組織の一部を採取する肝生検、腹部CT、MRIなどを行います。

体内に蓄積した鉄を取り除くには、体内から血液を大量に抜く瀉血(しゃけつ)が有効です。鉄の排泄を促すキレート剤を注射したり内服したりすることもあります。

肝硬変になると肝がんになることがあるので、定期的に腹部CTなどを行う必要があります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 禁酒しましょう。
  • 栄養バランスのよい食事をとりましょう。
  • 鉄分を多く含む栄養補助食品の摂取は避けましょう。