腹部には、肝臓や膵臓、腎臓、胃、小腸、大腸、膀胱、尿管、血管など重要な臓器が多くあります。腹部に外傷を受けたときは、腹部の臓器の損傷が疑われますが、場合によっては腹部以外の臓器の損傷も考えられます。

腹部の痛み、貧血、腹部の腫れ、ショック症状、発熱などさまざまな症状が現れます。受傷時には何の症状がなくても、時間が経ってから、症状が現れることもあります。

超音波検査やCT検査などを行い診断します。

全身状態が不安定な場合は、腹部臓器の損傷が疑われますが、他の臓器の損傷もまったくないとは言い切れません。損傷を評価する前に、救命のための手術、輸血、鎮静などを行うこともあります。

全身状態が比較的安定している場合も、腹部臓器の損傷が疑われますが、他の臓器の損傷もまったくないとは言い切れません。損傷の具合を診て、評治療方針を立てます。今後、救命のための手術、輸血、鎮静などが必要になることもあります。

止血、損傷の修復などのために、手術が必要となることがあります。

出血に対しては血管造影・動脈塞栓術で対応できる場合があります。

手術を行わず保存治療のみで経過観察する場合でも、初回の検査でははっきりしなかった損傷が遅れて判明し、遅発性出血などが生じ、手術や輸血、鎮静などが必要になることがあります。そのため、輸血を準備した状態で、経過観察をします。