火災などで生じる煙や有毒ガス、高温の水蒸気を吸い込むことによって起きる呼吸の障害を気道熱傷といいます。

現在、気道熱傷の単独の重症度を診断する指標に、確定的なものはありません。

気道熱傷には、一酸化炭素中毒による障害や、直接上気道の粘膜を傷害する場合と、一酸化炭素や有毒ガスやススを吸い込むことによって下気道が障害される場合とがあります。

治療の主体は、気道と呼吸の管理です。最初に、酸素投与が行われます。

受傷後、呼吸器症状が急激に増悪することがあり、気管にチューブを入れて気道を確保する気管挿管、人工呼吸器管理が必要になることがあります。肺炎を併発することもあり、注意が必要です。

全身の熱傷に気道熱傷を伴うと、予後が悪いといわれています。