腐食性物質中毒とは、強い酸やアルカリの、例えば洗剤などを誤って飲み込んで中毒を起こす場合をいいます。これは食道や胃に重篤な障害をもたらします。

口に入れて数分以内に口やのどに痛みが生じます。咳やよだれ、呼吸困難や胸痛なども現れます。最悪の場合、生命が危険にさらされることもあります。

食道や胃の穿孔(孔があく)が疑われる場合や、孔から食物や唾液が漏れて胸部に縦隔炎や腹部に腹膜炎が生じた場合には緊急の手術が必要です。

穿孔を疑う所見がなければ上部消化管内視鏡で粘膜損傷の程度を確かめます。

症状が軽く見えても、食道や胃粘膜穿孔の可能性は否定できないので、粘膜傷害の経過観察が必要です。

その後も、適時内視鏡検査を行い、食道狭窄の有無を確認し、治療を行います。また、15年以上にわたって、内視鏡検査による食道がんの有無を調べます。