電撃傷とは、生体内に電気が通電して、心臓や脳、皮膚などに障害をもたらすことです。

1,000ボルト以上の高電圧損傷は死亡率が高く、助かっても機能障害を残すことが多くみられます。1,000ボルト以下の低電圧損傷は、局所的な損傷が多いという特徴があります。

症状としては、不整脈、腎機能障害、意識消失、けいれん発作、運動麻痺などが挙げられます。

筋肉に強いダメージを受ければ、横紋筋融解(横紋筋細胞内の成分が血中に流出する)やコンパートメント症候群(筋肉や神経の圧迫障害)を起こします。

しばらく時間がたってから、記銘力障害、けいれん、頭痛などの中枢神経症状、白内障などのさまざまな症状が起きることがあります。

治療はそれぞれの病態に応じて行われます。緊急の状態では輸液を行い、皮膚の局所に対しては熱傷の処置を行います。

低電圧損傷は、乳幼児がコードの差込み口をなめたりして起きることがあり、口唇電撃傷ができるので、後日、その再建手術が必要になります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 乳児がコンセントやコードなどをなめて受傷したり、日常の電化製品の電線被覆部の老朽化による絶縁不良が原因となったりすることもあるので、家庭内の電化製品、配線などの定期的な総点検が必要です。