心因性非てんかん発作とは、突然、発症し、自然に元に戻る運動や感覚、認知や情動の機能の障害です。痙攣のような発作を起こしますが、てんかんではありません。

てんかん発作の原因は、中枢神経の異常によるものですが、心因性非てんかん発作の場合は、精神的な変化が原因です。不安や精神的ストレスが発作の契機になります。この点がてんかんと大きく異なります。

小児から30歳くらいの女性に多く見られますが、高齢者でも発症することがあります。

初回の診断では、心因性非てんかん発作か、てんかんか、はっきりしないことが多々あり、診断までに複数回の外来受診が必要です。正しい診断を行うために神経内科や精神科専門医の診断が重要になります。入院のうえ検査を行う場合もあります。

発作の目的者からの情報が診断に役立つことが多くあります。できれば目撃者も一緒に受診することが勧められます。

予後は良好です。無理に診断を急ぐ必要はありません。むしろ正確な診断と、診断に見合った適切な治療が重要です。

心因性非てんかん発作と診断されれば、治療は、薬物を使用しない、不安や精神的ストレスを除く精神科的な治療が必要になります。

てんかん発作の治療薬は効果がなく、むしろ副作用の問題が出てきます。

診断がつくまでは、自動車やバイクの運転は控えましょう。

再び発作が起きたときは必ず受診しましょう。