刺激性のある無能力化剤とは、催涙ガス、嘔吐剤などと呼ばれているものをいいます。10種類以上が開発されていますが、使用されるのは3~4種類です。

剤の種類によって、「リンゴの花の香り」「胡椒のような刺激剤」「無臭」などがあり、散布されるといろいろなにおいがすることがあります。

散布されると、目や鼻、口の粘膜が刺激を受けて、涙、鼻汁、涎(よだれ)が流れ出し、焼けるような痛みを感じます。吸い込むと激しくせき込み、皮膚も赤くなりヒリヒリします。

散布された場所から離れれば、通常は数分から30分程度で症状はなくなり、命が危険にさらされることはありません。症状がなくなれば検査や治療の必要はありません。

眼に異物感や痛みがある場合や、視界がぼやけるほどの症状がある場合は、眼の洗浄を行います。

皮膚が赤くヒリヒリしたり、水ぶくれになっている場合は、石鹸と水道水で洗います。

吐き気が強い場合は、吐き気止めを服用します。

慢性的な肺の病気を持つ人や呼吸が苦しい人は、診察後に、必要があれば酸素吸入をしたり、血液検査を追加したり、場合によっては入院して経過をみます。

刺激剤に触れなければ再度、症状が出ることはありませんが、何らかの症状が出現したときは再度受診しましょう。