ハチに刺されたときの症状は、ハチ毒に対する免疫反応によって生じます。毒液による中毒ではありません。

症状は通常、局所の腫れという「局所反応」ですが、免疫が過剰に働くと全身に症状が現れる「全身反応」が起きます。重症の場合は、失神、呼吸困難、意識障害などを起こすアナフィラキシーが生じることがあります。

局所反応の場合は、命に別状はなく、数時間から数日で自然に治癒します。1日を超えて腫れが広がることがあります。腫れが強い場合は、再受診しましょう。

アナフィラキシーを起こした場合は、一刻も早くアドレナリンを注射します。いったんよくなっても数時間から数十時間後に再度症状をぶり返すことがあります(二相性反応)。この予防にステロイド剤を短期間服用します。

一度全身反応やアナフィラキシーを起こした場合、ハチの毒液に対してアレルギーをもっている可能性があります。アレルギーを緩和する免疫療法という治療法を受けておくと、もし次に刺されても重症化を防ぐ効果があります。

最近は刺された直後に使用できる携帯型のアドレナリンを処方することもできます。