鼻の中心には空気の通り道である鼻腔があります。鼻腔NK/T細胞リンパ腫とは、鼻腔あるいはその周辺組織に発生するリンパ腫(がん)です。まれな病気です。

症状は、最初に、発熱、全身倦怠感、食欲不振などの炎症を思わせるものが生じます。ついで、鼻・目・耳・咽喉頭などの上気道や肺、腎臓の臓器の炎症が一度に、あるいは次々に起こります。

原因ははっきりしていません。しかし、全身の血管の炎症による血管炎の一種で、免疫の異常が、病気の成り立ちに大きく影響していると考えられています。

血液検査を行い、血液中のANCAという自己抗体の有無を調べます。

治療は、なるべく初期に、免疫抑制剤や副腎皮質ステロイドによる免疫抑制療法を行うことによって、症状を落ち着いた方向へ導くことができます(寛解導入療法)。

寛解したら、免疫抑制剤をいてその状態を維持する治療に移ります(寛解維持療法)。

治療を早く中止すると病気がぶり返すことがあるので、長期間、担当医による経過観察が必要です。

病気自体が命にかかわることは少ないのですが、敗血症や肺感染症、呼吸不全で生命の危険に及ぶことがあります。感染症には十分な注意が必要です。

全身症状が落ち着いた後に、鼻筋が落ち込む鞍鼻(あんび)や視力障害などの後遺症が出ることがあります。

腎機能の悪化が、予後を大きく変えることもあるので、尿検査もこまめに行いましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 免疫抑制剤を使用すると、免疫力が低下し感染しやすくなります。丁寧な手洗い、インフルエンザや肺炎球菌の予防接種などで感染症予防に努めましょう。