鼻の中心には空気の通り道である鼻腔があります。鼻腔NK/T細胞リンパ腫とは、鼻腔あるいはその周辺組織に発生するリンパ腫(がん)で、まれな病気です。

鼻閉、血性鼻漏の局所症状以外に、発熱、全身倦怠感、食欲不振などの全身症状も出現します。

抗がん剤や放射線による治療が一般的に行われます。

命に関わる病気です。他の癌腫と同様、早期発見、早期治療が原則です。

まずは局所から(鼻腔など)組織を採取し、病理学的に病気を確定します。診断が難しく、数回採取を行う場合もあります。

次に、種々の画像検査、胃カメラ、骨髄穿刺などで病気の広がりを調べます。

採血等を行い全身的な状態を調べます。

それらの結果から、治療法が選択されます。基本的には抗癌剤と放射線を組み合わせた治療を行います。入院加療が原則で、数ヶ月を要します。

治療後、再発や転移を起こし、命に関わる場合もあります。従って、治療後も外来に通院して頂き、定期検査を受けて頂きます。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 放射線や抗癌剤治療後は免疫力が低下し感染しやすくなります。丁寧な手洗い、インフルエンザや肺炎球菌の予防接種などで感染症予防に努めましょう。
  • 特に鼻腔に放射線治療を受けた場合、鼻内に痂皮などが付着し、鼻閉がひどくなったり局所感染を起こしやすくなります。鼻吸入や鼻洗などで鼻内を清潔に保つ処置が必要となる場合があります。