認知症は、認知機能が低下し、さまざまな生活障害を起こす病気です。

認知機能の低下とともに、身体機能も低下し、10年以上を経て寝たきりとなり、嚥下障害などが生じます。

精神面では、数分前から数日前のことを忘れるようになり、進行すると直前のことや昔の記憶も低下してきます。その他、時間の感覚や場所の認識など見当識障害が生じ、人の認知もできなくなります。

治療の中心は薬剤ではなく、環境の整備と、家族や周囲の理解と支援、介護保険サービスの利用がポイントです。

薬剤は、あくまでも進行を抑えるためのもので、病気そのものが治るわけではありません。薬の副作用により、怒りっぽくなったりする場合には服用を中止したり、他の薬に変更することがあります。

間違えを指摘したり、怒ったりすると、かえって症状が悪化します。ありのままを認め、行動にはその人なりの理由があると考え、支持的な態度で接しましょう。

環境が変わると一時的に認知機能が悪化するので、なるべく環境を変えないようにしましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 散歩、デイサービスを利用する日などを生活に組み込み、身体を動かし、生活にリズムをつけましょう。
  • 忘れることが多いので、メモを取る習慣をつけましょう。
  • かかりつけ医を決め、生活習慣病も含めて、すべての相談にのってもらいましょう。
  • 介護保険を申請し、デイサービスなどの介護サービスを積極的に利用しましょう。