膀胱の容量は300~500mlですが、実際には150~200mlで尿意を感じ始めます。ただ、尿意を覚えても大脳が自律神経や自分でコントロールできる陰部神経に指示して尿意を我慢させています。

ただし、歳をとると我慢できる量は減り、特に女性はもれやすくなります。男性は尿が出にくくなる傾向にあります。夜中に起きてトイレに行く回数は男女どちらも増えます。

排尿に関してのトラブルは、男性の場合は尿の切れが悪くて(前立腺肥大)下着の中に漏らしたり、トイレに間に合わない切迫性尿失禁(過活動膀胱)があります。

女性の場合はくしゃみや歩行などの運動により、尿意に関係なく漏れる腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁があります。

自分がどんな尿漏れに困っているか、その程度を考えて、医師に相談してみましょう。

切迫尿失禁があるときは、薬物療法でよくなります。腹圧性尿失禁の場合は、症状が軽いなら、骨盤底を支えている筋肉を鍛える骨盤底筋群訓練で改善することがあります。症状が重い場合は手術という方法もあり、泌尿器科や婦人科に相談しましょう。

男性の場合は、前立腺肥大も考えられます。気になるときは泌尿器科を受診しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 夕食後の水分摂取は、夜間の尿量が500ml以下になるように調整しましょう。
  • アルコールは利尿作用で尿の回数が多くなります。また、前立腺肥大症のある男性では尿道粘膜が充血して尿道が細くなり尿が出にくくなります。アルコールは控えたほうがいいでしょう。