アミロイドーシスはさまざまな原因物質が全身の臓器に付着してアミロイドという物質に変化し、内臓の働きを悪くする病気です。
原因物質は30種類以上ありますが、ここでは免疫グロブリン(抗体)の一部が原因となる、原発性アミロイドーシス(ALアミロイドーシス)について説明します。
なぜこの病気になるのかは不明です。悪くなる臓器によって出てくる症状もいろいろです。
治療をしない場合、病気は進行し、症状は悪化します。残念ながら、治療で完全に治すことは困難ですが、治療が効けば進行が緩やかになったり、病状がよくなることも期待されます。限局性の場合は、アミロイドのたまった部分を外科で切り取ることもあります。
1:診断
アミロイドーシスが疑われる場合、アミロイドがたまっている部分から組織を取り出し(生検といいます)顕微鏡で観察します。生検はアミロイドがたまっていることが疑われる臓器から行われます。皮膚の場合は、皮膚を少し切り取ります。消化管の場合は、胃内視鏡や大腸内視鏡で組織を取ります。
一方、おなかの脂肪や骨髄の組織でアミロイドを見つけることも可能です。
アミロイドーシスの原因となる抗体の一部(ベンスジョーンズタンパクといいます)を血液検査で見つけることもできます。そのために免疫電気泳動、免疫固定法、フリーライト検査と言われる検査を行います。
2:治療
アミロイドーシスの原因となるベンスジョーンズタンパクを減らすことが治療の目標です。ベンスジョーンズタンパクが十分に減ると、アミロイドーシスの進行が止まり、続いて時間はかかりますがアミロイドに侵された内臓の働きが改善してきます。
ベンスジョーンズタンパクは骨髄の中にある形質細胞から作られています。この形質細胞を抗がん剤で殺すことが治療になります。
体調がよく、65歳未満であれば、大量の抗がん剤を使う末梢血幹細胞移植という治療が用いられることもあります。一方、高齢者や体調が悪い場合は、抗がん剤の注射や飲み薬で治療が行われます。これらの治療は、形質細胞のがんである多発性骨髄腫という病気の治療に準じて行われます。
治療の効果は、ベンスジョーンズタンパクの量が減っていくかどうかをみて判断します。
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