結核性髄膜炎は、結核菌が髄液に入り込んで炎症を起こしている状態です。

結核症の中で最も重篤な病態です。すぐに治療をはじめます。治療を行っても意識障害などの神経症状が改善しない場合があります。

脳梗塞や脳出血、水頭症などの合併症により、新たに麻痺が出現したり、手術が必要となる場合があります。命にかかわることもあります。

髄膜炎の炎症を抑えるため、ステロイドの併用も治療として行います。

髄膜炎の原因を特定するための髄液検査と採血検査を行いました。髄液と採血の所見、臨床経過から結核性髄膜炎の可能性が高いと判断します。

すぐに、抗結核薬による治療を開始します。抗結核薬は複数の薬を併用します。治療期間は最短でも9-12ヶ月です。

ステロイドの併用も行います。

粟粒結核や肺結核が合併していることもあるので、胸部X線やCT検査、喀痰検査なども行います。

肺病変がある場合には空気感染予防策が必要となるため、個室への移動や結核の入院施設のある病院へ転院などが必要となることがあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
    ■お薬のこと
  • 毎日きちんと薬を飲んでください。
  • お薬が体に合わないと思った時には、受診するか病院に電話するなどして必ず医師にご相談ください。
  • リファンピシンという薬の内服により尿や汗がオレンジ色に着色しますが、体に害はないので安心してください。
  • 飲み合わせると効果が弱くなる薬や飲み合わせてはいけない薬があります。複数の医師に受診している方は、お薬手帳を医師に見せてください。結核の薬を飲み始めること、ほかの薬を飲んでいることを、医師に告げてください。

  • ■副作用のこと
  • 副作用が起きていないかどうか確認しながら入院、または外来で定期的に診察します。
  • 適宜採血を行い、副作用が出ていないか確認します。視力の低下やめまい、ふらつき、難聴、耳鳴りといった症状は副作用かもしれません。自覚された場合は医師に告げてください。
  • 日頃の変化に気を配り、変化に気がついたら教えてください。

  • ■その他治療上の重要なこと
  • 栄養療法も治療上非常に重要です。バランスのよい食事をしてください。
  • 糖尿病の方は、糖尿病のコントロールを改善することも大切です。
  • 医師の判断なく薬を長期間休むことはしないでください。薬を飲んだり飲まなかったりすると薬の効きにくい菌に変化することがあります。治療は主治医と相談しながら行いましょう。
  • お酒を飲むと肝臓に負担がかかり、薬が飲めなくなることがあります。結核治療はお酒を飲まないでください。