ヘルペス脳炎は、単純ヘルペスウイルスというウイルスが髄液や脳に感染することで生じる感染症です。発熱や頭痛などの症状に加えて、意識状態が悪くなったり、けいれんが生じたり、人格の変化や異常な行動を生じることがあります。

症状だけでは診断することはできませんが、異常な症状がある場合には、検査のために早急に病院に受診することが必要です。治療が遅れると、死に至ることがあったり、適切に治療を行っていても後遺症が残ることがある、重症な感染症です。

血液検査だけでは診断ができないため、診断のために髄液の検査や頭部のCT・MRI検査などを行います。

原則として、すべての方が入院で治療を受けることになります。

治療は薬物療法が中心となります。抗ウイルス薬というヘルペスウイルスに対する薬を静脈から点滴で投与します。

意識状態が悪かったり、けいれんなどを起こして全身の状態が悪い方が集中治療室で治療を行うことがあります。

治療期間は14~21日間となりますが、合併症や患者様の状態によって、入院期間はそれよりも長くなることがあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 発熱や頭痛に加えて、意識の状態がおかしかったり、普段と違う行動をしている場合には早急に病院を受診してください。
  • 異常な症状がある場合には、様子をみようとせずに病院の受診をしてください。