突然の痛みもなく大量に鮮やかな色の血便が出る病気で、直腸の潰瘍が原因です。特に脳血管障害、脳腫瘍などの脳の病気や、肺炎や腎不全などの重い病気のため長期に臥床しているときに起こりやすい病気です。

発症率は不明ですが、70歳以上の高齢者で全身状態や栄養状態が不良な人に発症しやすいとされます。

ストレスによる脳のホルモンのアンバランス、寝たきりによる直腸粘膜の血流障害などが潰瘍の原因と考えられています。

寝たきりの状態で突然に下血して気分不快などがみられたらすぐに病院を受診して下さい。

出血した時に内視鏡で直腸を検査して潰瘍が見つかることで診断されます。

治療は血圧を安定させる点滴や輸血をしながら内視鏡下にクリップで潰瘍をふさいだり薬を注入して止血します。止血されれば2~3週間で潰瘍は治ります。

再発の予防は体位変換で血流を改善すること、亜鉛などの栄養を補充すること、下剤や浣腸で適切な便通を維持することが大切です。