偽痛風は痛風に似て、関節内に結晶が生成され、炎症が生じる急性の結晶性関節炎です。

膝や手首に好発しますが、それ以外にも肩や足首、あるいは背骨にも発症します。

通常男女差はなく、60歳以上で発症することが多く、さらに年齢が高くなるにつれて増加します。

外傷がなく、急に一カ所の関節や背骨に痛みや腫れが出現してきた場合には、偽痛風を念頭に置く必要があります。最近は高齢者で増加しています。ときには、全身のさまざまな関節に同時に症状が出現し、さらに発熱を伴うこともあります。

単純X線を撮影し、必要に応じて超音波検査、CT、MRIを撮影します。

血液検査を行います。関節液が採取された場合には、その性状を検査します。

鎮痛消炎剤の経口内服を行い、必要に応じて湿布や塗布剤、ときに座薬の併用投与を行います。

腫れが強い関節炎に対しては、関節液を穿刺して排液を行い、ステロイド剤の関節内注入を行います。

慢性化する場合には、ヒアルロン酸を繰り返し関節内投与することもあります。

これらで鎮静化できない激しい関節局所の炎症や疼痛、多関節の発作や発熱など、全身症状が出現した場合にはステロイド剤の全身投与を考慮します。