病 歴:50歳代男性。切除不能の膵頭癌に対して、7カ月前よりゲムシタビンによる化学療法を受けていた。2カ月前より、四肢の浮腫性硬化が出現してきた。レイノー現象の既往はなし。
診 察:両前腕から上腕に左優位の著明な皮膚硬化がみられた。手には浮腫はみられたものの、皮膚硬化はみられなかった。ほかには、両大腿に左優位の皮膚硬化がみられた。
診断のためのテストとその結果:血液検査で、強皮症などの膠原病と関連した自己抗体は検出されなかった。左大腿の皮膚生検で、真皮に膠原線維の膨化、増生が認められた。
治 療: ゲムシタビンを中止した。
転 帰:1カ月後には皮膚硬化は軽快し、手背の浮腫も消失した。