病歴:56歳、女性。初診3カ月前の検診でSTS陽性であったが治療はされていない。1カ月前より、外陰部のびらんが出現し、同時期から躯幹、四肢、手掌、足底にも紅斑、紅色局面が出現した。
診察:外陰唇右側内側に潰瘍を伴う紅色局面(a)、足底には一部角化を伴う紅色局面を認める(b)。
診断のためのテストとその結果:皮疹より梅毒、外陰部は性器ヘルペスなどの潰瘍性病変も考え、梅毒抗体検査、潰瘍部からは細菌培養、HSV特異的モノクローナル抗原検査を行った。ガラス板法64倍、TPHA 2560倍、HSV抗原 陰性より2期梅毒、陰部は扁平コンジローマ、足底は乾癬性梅毒と診断した。
治療:バイシリンGを8週間投与した。
転帰:陰部、足底、躯幹の皮疹とも1カ月程で軽快した。