病歴:18歳女性、7~8歳頃から顔にソバカス様のシミが生じ、年齢とともに徐々に増数拡大してきたため、来院。スポーツをしているため日焼けする機会が多い。
診察:顔面全体、特に日焼けをしやすい部位に直径数mm大の点状の境界鮮明な褐色斑が多発、散在している。形は不規則地図状で、金平糖様のものもある。
診断のためのテストとその結果:境界鮮明な褐色斑で、大きさ、形あるいは色調の濃淡もさまざまである。老人性色素斑(日光色素斑)である可能性が高いが、発症が小児期であることからパラパラ型太田母斑(symmetrical type of nevus of Ota)との鑑別が必要である。パラパラ型太田母斑はやや灰紫色を帯びる褐色斑であり、色素斑はほぼ両頬部に限局している。一方ソバカス様日光色素斑は発症年齢が若いものの、日焼けを受ける顔面に広範囲に存在することからパラパラ型太田母斑とは異なる。またたった1回のレーザー治療で色素斑が消失したことから、太田母斑ではないことがわかる。
治療:Qスイッチルビーレーザー照射を1回行った。
転帰:レーザー照射1カ月後に一過性の炎症後色素沈着がみられた部位も存在したが、レーザー照射を行った色素斑はすべて消失した。