器質性、薬剤性、症候性の便秘の原因
器質性の便秘の原因として表に示した疾患が考えられる。急性発症や、発熱、嘔気、嘔吐、体重減少、貧血、血便、下血などの症状を有したり、50歳以上の場合は、これらを疑って適宜検査を行う。
参考文献:MD Consult, p263, CHAPTER 18 Constipation, Elsevier Inc., 2012
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慢性便秘(症)の分類
慢性便秘(症)は、大腸癌などによる器質性狭窄性の原因を鑑別したあと、症状により排便回数減少型と排便困難型に分類する。
排便回数減少型において排便回数を厳密に定義する必要がある場合は、週に3回未満であるが、日常臨床では、その値はあくまで目安であり、排便回数や排便量が少ないために結腸に便が過剰に貯留して腹部膨満感や腹痛などの症状が生じていると思われる場合は、週に3回以上の排便回数でも排便回数減少型に分類してよい。
排便困難型は、排便回数や排便量が十分あるにもかかわらず、排便時に直腸内の糞便を十分量かつ快適に排出できず、排便困難や不完全排便による残便感を生じる便秘である。
さらに必要に応じて、大腸通過時間検査や排便造影検査などの専門的検査によって、排便回数減少型は大腸通過遅延型と大腸通過正常型に、排便困難型は「硬便による排便困難」と便排出障害(軟便でも排便困難)に病態分類し、便排出障害はさらに器質性と機能性に分類する。
複数の病態を併せ持つ症例も多いことに留意する必要がある。
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日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会編:慢性便秘症診療ガイドライン2017,p.3,2017,南江堂
器質性便秘症を疑わせる症候・身体所見(特に50歳以上)
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Bristol便形状スケールを使った便秘問診票
Bristol便形状スケールは便の形状を把握するのに有用。スケール1,2は便秘を訴えることが多い。便秘の治療目標としてはスケールの4が適切である。
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日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会編:慢性便秘症診療ガイドライン2017,p.44,2017,南江堂
便秘の治療のアルゴリズム
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