2021年に開かれた国際カンファレンスで好酸球増多の定義が再検討され、2023年に発表された。
好酸球数≧1,500/μLの好酸球増が緊急の対応が必要な場合を除いて、2週間以上持続している場合が好酸球増多症(hypereosinophilia:HE)で、好酸球数≧1,500/μLで好酸球増多症による臓器障害・機能障害を認める場合が好酸球増多症候群(hypereosinophilic syndrome: HES)である。慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病では、増加した白血球の一部として好酸球が増加していることがあるため、好酸球数≧1,500/μLで白血球分画の10%以上である場合をHEとする。HESは好酸球増多の原因にかかわらず、HEが関連した臓器障害を来している場合である。
臓器障害は、好酸球の著明な組織浸潤や好酸球由来蛋白の組織沈着による臓器障害で、①線維化(肺、心臓、消化管、皮膚、その他の臓器)、②血栓症、③皮膚の紅斑、浮腫/血管浮腫、潰瘍、掻痒感、湿疹、④慢性または反復性の症状を認める末梢または中枢神経障害、および⑤肝臓、膵臓、腎臓など他の臓器障害――である。
骨髄組織で好酸球が有核細胞の20%を超える場合や、組織に著明な好酸球浸潤を認めたり著明な好酸球顆粒蛋白の沈着を認める場合を組織HE(tissue hypereosinophilia)としている。
HEの基準を満たしても、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(Churg-Strauss症候群)などの好酸球増多を伴う症候群や好酸球性胃腸炎などの好酸球の臓器障害への関与が明らかでない好酸球に関連した臓器特異的(炎症性)疾患(表[ID0603])は、HESとは区別される。
参考文献:
Valent P, et al. : Proposed refined diagnostic criteria and classification of eosinophil disorders and related syndromes. Allergy. 2023 Jan;78(1):47-59. PMID: 36207764