徐脈性不整脈のペースメーカ治療計画
徐脈を呈する患者をみた際には、まずバイタルサインをチェックし、血行動態が保たれているかどうかを確認する。ショック状態を呈している場合には緊急一時ペーシングの準備とともに、硫酸アトロピンなど心拍増加効果のある薬剤の投与や経皮ペーシングを準備する。ショック状態を呈しておらず、めまい、ふらつき、労作時息切れなどの自覚症状のみの場合には、慎重に心拍モニターを監視しつつ一時ペーシングの準備、あるいは永久ペースメーカの植込み術を予定する。
出典
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洞停止の24時間ホルター心電図記録
24時間ホルター心電図記録にて、心房細動停止時に洞停止を認めている。
完全房室ブロックの心電図
高度な徐脈のため、12誘導心電図では1拍ずつしかQRS波が記録されていないので、下段のリズム誘導をみるとわかりやすい。心房波(P波)と心室波(QRS波)がまったく関係がなく、P-P間隔、R-R間隔は独自の周期で出現している。心拍数は27/分と高度な徐脈を呈している。
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一時ペーシングの心電図
右室心尖部に留置したペーシングリードにて、ペーシングが行われている。心室内のリードでのVVIモード作動なので、心房波(P波)との連携なく、心室ペーシングのみが行われている。また、QRS波の極性は、II、III、aVFで下向き〔右室心尖部(心臓の下)からのペーシングであるため〕、左脚ブロック(右室からのペーシングであるため)を示す。QRS波の直前にペーシングスパイクが確認できる。
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一時ペーシングカテーテル
先端にバルーンがついており、頚静脈(または大腿静脈、鎖骨下静脈)に留置したシースから静脈内にカテーテルを挿入したら、バルーンを膨らませてカテーテルを進めていく。バルーンを使用することにより、カテーテル先端で心内膜を傷つけることを予防でき、また、バルーンが血液の流れにのってスムースに三尖弁を超えて心室内に運ぶことができる。
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大正医科器械株式会社
一時ペーシング留置後の胸部X線写真
右内頚静脈から挿入した一時ペーシングカテーテル。カテーテル先端は心尖部に位置し、体動によりペーシングカテーテルがずれないよう適度なたわみを施して固定している。
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はカテーテルの先端。
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心拍モニターのトレース
2段目の2拍目から、P波のみとなりQRSが脱落している。
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入院時の心電図
P波は消失しており、基線の揺れとR-R不整(心房細動)を呈していた。
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入院後の心拍モニター記録
ベッドサイドでふらつき、めまいを自覚した際に最長7秒(3段目から4段目の記録)の心停止を認めていた。
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外来通院中の平常時心電図
心拍数 80/分、右脚ブロック、左軸偏位、1度房室ブロック
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心電図2:一時ペーシング挿入時にカテーテル室で記録された心電図
2:1房室ブロック、心拍数 42/分と徐脈を呈していたが、自覚症状はない。
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徐脈性不整脈のペースメーカ治療計画
徐脈を呈する患者をみた際には、まずバイタルサインをチェックし、血行動態が保たれているかどうかを確認する。ショック状態を呈している場合には緊急一時ペーシングの準備とともに、硫酸アトロピンなど心拍増加効果のある薬剤の投与や経皮ペーシングを準備する。ショック状態を呈しておらず、めまい、ふらつき、労作時息切れなどの自覚症状のみの場合には、慎重に心拍モニターを監視しつつ一時ペーシングの準備、あるいは永久ペースメーカの植込み術を予定する。
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洞停止の24時間ホルター心電図記録
24時間ホルター心電図記録にて、心房細動停止時に洞停止を認めている。