胆嚢ポリープの種類
胆嚢ポリープの60%はコレステロールポリープで、限局型腺筋腫症は25%、炎症性ポリープは10%、腺腫は4%、その他の腫瘍は1%以下である。
出典
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Feldman: Sleisenger and Fordtran's Gastrointestinal and Liver Disease, 10th ed.; Chapter 67. Acalculous Biliary Pain, Acute Acalculous Cholecystitis, Cholesterolosis, Adenomyomatosis, and Gallbladder Polyps. TABLE 67-3. Saunders, 2016.
胆嚢腺筋腫症の分類
限局型:壁肥厚が限局して認められる。底部に多いので底部型とも呼ばれる。通常10~20 mmである。びまん型:胆嚢全体に壁肥厚を認める。分節型:壁肥厚を1区域または2区域に認める。
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コレステロールポリープの超音波像
胆嚢頚部の肝床部に大きさ5 mm大の有茎性ポリープを認める。音響陰影は認めず、体位変換を行っても移動しない。
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Feldman: Sleisenger and Fordtran's Gastrointestinal and Liver Disease, 10th ed.; Chapter 67. Acalculous Biliary Pain, Acute Acalculous Cholecystitis, Cholesterolosis, Adenomyomatosis, and Gallbladder Polyps. FIGURE 67-8. Saunders, 2016.
胆嚢コレステロールポリープの超音波像
胆嚢頚部の肝床部に大きさ5 mm大の有茎性ポリープを認める。内部エコーは高エコーで桑実状である。音響陰影は認めない。ほかにも頚部の腹腔側と体部の肝床部に有茎性ポリープを認めた。
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胆嚢腺腫の超音波像
胆嚢体部に13 mm大の亜有茎性ポリープを認める。内部エコーはほぼ均一で、肝臓よりもやや高エコーを呈している。手術で胆嚢腺腫と診断されたが、胆嚢癌との鑑別診断は困難である。
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胆嚢腺筋腫症の超音波像
胆嚢底部に大きさ約10 mmの低エコー腫瘍を認める。内部に小嚢胞エコー部(白矢印)を認める。
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胆嚢癌の超音波像
胆嚢体部に広基性で大きさ15㎜の胆嚢ポリープを認める。内部エコーはやや不均一である。
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胆嚢コレステロールポリープの超音波像
胆嚢頚部の肝床部に大きさ5 mm大の有茎性ポリープを認める。内部エコーは高エコーで桑実状である。音響陰影は認めない。ほかにも頚部から体部にかけて小さい有茎性ポリープを多数認める。
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胆嚢ポリープ・胆嚢腺筋腫症の治療方針
まず、隆起の形が有茎性であるか広基性であるかを判断し、次に大きさ、エコー所見、血流の過多を検討する。有茎性10 mm未満で、高エコーあるいは桑実状であればコレステロールポリープと診断する。10 mm以上であっても高エコーあるいは桑実状であればコレステロールポリープと診断してよい。有茎性10 mm以上で実質エコーを呈し、表面平滑な単発の隆起で血流に乏しいあるいは単純CTで描出されなければ、非腫瘍性ポリープと診断するが、3~6カ月後にエコー再検を行い、増大すれば胆嚢摘出術を行う。広基性では大きさにかかわらず精密検査を行う。血流が豊富で単純CTで描出される場合は腫瘍性ポリープとして胆嚢析出術を行う。この際EUS、ダイナミックCTなどで胆嚢癌が疑われれば癌の手術を行う。広基性であっても内部に小嚢胞エコー、コメットサイン、高エコー部を認めれば胆嚢腺筋腫症として年1回のエコーによる経過観察を行う。
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