頚部食道穿孔の頚部単純X線写真(側面)
頚部食道穿孔にみられた頚椎前面の遊離ガス像
出典
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Marx: Rosen's Emergency Medicine, 7th ed. Figure 42-22.
食道破裂例の胸部単純X線写真
食道穿孔例の胸部単純X線写真では、縦隔気腫や胸水の貯留や気胸がみられる。胸水の貯留は仰臥位(a)、立位(b)により見え方が異なる。
a:縦隔気腫と胸水
b:縦隔気腫と気胸
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食道破裂例の単純X線CT写真
食道破裂(穿孔)例では、CT検査により、頚部(a)や胸部(b)の縦隔内に液体や気体(気腫)の貯留がみられる。
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食道破裂例の胸部単純X線CT写真
胸部単純X線CT検査における縦隔条件(a)では胸水などの液体貯留は判定しやすいが、気体の存在は判断しにくい。肺野条件(b)では気体の存在(縦隔気腫、気胸)が判定しやすい。
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食道破裂例に対する食道造影
水溶性造影剤の投与により、穿孔部からの造影剤の漏出がみられる。胸膜下腔(a)や胸腔内(b)に漏出がみられる。
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水溶性造影剤投与後の胸部単純X線CT写真
水溶性造影剤投与後にCT検査を行うと造影剤の漏出が認められる。特に透視下では不明瞭な漏出を検出することができる。
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頚部食道穿孔における皮膚切開
頚部食道穿孔では、胸鎖乳突筋の前面で切開を行い、頚部食道の露出を行う。
穿孔部の一期的縫合、胸膜フラップによる穿孔閉鎖部の被覆
a:穿孔部の上下にテーピングを行い、粘膜ならびに筋層の縫合閉鎖を行う。b:穿孔閉鎖部を被覆するために、胸膜や肋間筋が用いられる。
経腹的アプローチと fundic patch
下部食道の穿孔では、経腹的に食道を腹腔内に露出し、穿孔部の閉鎖と fundic patch を行う治療も選択肢となる。被覆効果は高い。胸腔内洗浄は難しいが、胃瘻造設は容易となる。
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食道穿孔例の胸部単純X線写真
縦隔気腫ならびに両側の気胸がみられる。
出典
1:
Feldman: Sleisenger and Fordtran's Gastrointestinal and Liver Disease, 9th ed. Figure 25-4.
食道穿孔例の胸部CT像
縦隔内に液体ならびに気体の貯留がみられる。
出典
1:
Townsend: Sabiston Textbook of Surgery, 19th ed. FIGURE 43-43. (Adapted from Duranceau A: Perforation of the esophagus. In Sabiston DC [ed]: Textbook of Surgery, ed 15, Philadelphia, 1997, WB Saunders, p 761.)
食道穿孔例に対する食道造影像
造影剤が穿孔部から左胸腔へ漏れている。
出典
1:
Townsend: Sabiston Textbook of Surgery, 19th ed. FIGURE 43-42. (Adapted from Duranceau A: Perforation of the esophagus. In Sabiston DC [ed]: Textbook of Surgery, ed 15, Philadelphia, 1997, WB Saunders, p 761.)
食道破裂・穿孔の診断指針
食道穿孔を疑わせる症状とともに誘因となる経過に関する聴取も重要である。他疾患との鑑別を進めながら、胸部単純X線検査、CT検査により、食道穿孔を疑わせる所見を把握する。そして、穿孔の確定、穿孔部位、被覆の有無の確認のため、食道造影を行う。さらに、CT検査の追加や内視鏡検査による確認を行うこともある。発症から治療開始までの時間が、本疾患群の予後(死亡率)に影響を与えるので、迅速な治療方針の決定が求められる。
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頚部食道穿孔に対する治療指針
胸腹部穿孔に較べ、頸部穿孔は予後が良好である。異物や内視鏡治療などが原因となる。被覆穿孔や限局性のものでは、保存的治療に経皮的ドレナージで管理できることも少なくない。
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胸・腹部食道穿孔に対する治療指針
開放性穿孔で、全身麻酔自体の危険性も高い、ハイリスク例ではステント治療の選択もある。発症から治療までの時間が予後に影響を与えるが、24時間以上経過の感染重症例では食道切除の選択もある。基本は穿孔部閉鎖、patchによる閉鎖部の補強、ドレナージである。また、術後の呼吸・循環管理、感染症治療も重要である。
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