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Lambert-Eaton筋無力症候群治療アルゴリズム

重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022内でLEMS治療アルゴリズムが提唱された(一部改変)。
出典
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1: 日本神経学会:重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022.南江堂、2022、p179 図1より改変

Lambert-Eaton筋無力症候群の診断

筋無力症状、自律神経症状および小脳失調症状の訴えからLambert-Eaton筋無力症候群(LEMS)を想起する。問診で中毒や先天性等を鑑別する。当疾患では誘発筋電図検査が必須である。低頻度刺激での漸減現象は重症筋無力症でも認められるため、複合筋活動電位の振幅低下、高頻度刺激または短時間運動後では漸増現象所見の合併を得ることが必要となる[47][48]。運動神経伝導検査での安静時複合筋活動電位(CMAP)の振幅低下と強収縮後の手筋で測定したCMAPの増大がLEMSの診断に有効である[21]。
血清検査で抗P/Q型VGCC抗体を測定する。陽性で診断確定となるが、約15%の症例が陰性となるため、陰性の場合でも診断が否定されないことに留意する[47][48]。2021年よりLEMSの診断検査でVGCC抗体検査が保険適応となったが、VGCC抗体測定時には電気生理学的検査が必須となっている。
当疾患では肺癌などの悪性腫瘍が原因であるため、当疾患を疑った場合は並行して悪性腫瘍の検索をすることが重要である。
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1: 中馬越清隆先生ご提供

Lambert-Eaton筋無力症候群の治療

原因となる肺小細胞癌を主とする悪性腫瘍の早期発見とその根治的治療が治療の基本原則である。この原則に従って治療方針を決定するが、悪性腫瘍の有無にかかわらず第一に考慮すべき薬物療法は、アミファンプリジンリン酸塩および3,4-ジアミノピリジン治療である。筋力低下が高度である例や呼吸不全を合併する重症例では、血漿交換療法や免疫グロブリン大量療法が選択される。傍腫瘍症候群として悪性腫瘍が確認された場合はその治療が最優先となる。一方、Lambert-Eaton筋無力症候群の診断時に腫瘍が発見できない場合には、定期的な悪性腫瘍検索を行うことが推奨される。原因となる悪性腫瘍が手術治療などにより治癒または寛解し、症状が消失した際には薬剤を減量もしくは治療を中止することができる。アミファンプリジンリン酸塩もしくは3,4-ジアミノピリジン治療に加えて2年間以内ではステロイド薬併用治療が、少なくとも2年間以上癌の合併がみられない癌非合併症例ではステロイド薬に加えてアザチオプリンなどの免疫抑制薬を用いた治療が推奨される[39][48][47]。
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1: 中馬越清隆先生ご提供

Lambert-Eaton筋無力症候群の強収縮前後の誘発電位検査例

下肢の筋力低下で発症した抗P/Q型VGCC抗体陽性の肺小細胞癌合併のLambert-Eaton筋無力症候群(Confirmed LEMS)の70歳女性例である。正中神経刺激、短母指外転筋導出の複合筋活動電位の記録を提示した。運動負荷前の複合筋活動電位の振幅は6.3 mVであるが、20秒間の運動負荷直後に振幅が15.1 mVと140%振幅増大を示した。高頻度反復刺激は患者に疼痛を伴うため検査自体もpoor studyとなり、痛みのため典型的な波形を得ることは困難であった。本症例は肺癌の治療により下肢の筋無力症状はいったん改善するも半年後に小脳失調が出現し傍腫瘍性小脳変性症(PCD)を合併した。
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1: 中馬越清隆先生ご提供

Lambert-Eaton筋無力症候群診断基準

重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022内でLEMSの診断基準が提唱された。図に診断基準を示す。
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1: 日本神経学会:重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022.南江堂、2022、p160 表1より改変

Lambert-Eaton筋無力症候群治療アルゴリズム

重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022内でLEMS治療アルゴリズムが提唱された(一部改変)。
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1: 日本神経学会:重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022.南江堂、2022、p179 図1より改変

Lambert-Eaton筋無力症候群の診断

筋無力症状、自律神経症状および小脳失調症状の訴えからLambert-Eaton筋無力症候群(LEMS)を想起する。問診で中毒や先天性等を鑑別する。当疾患では誘発筋電図検査が必須である。低頻度刺激での漸減現象は重症筋無力症でも認められるため、複合筋活動電位の振幅低下、高頻度刺激または短時間運動後では漸増現象所見の合併を得ることが必要となる[47][48]。運動神経伝導検査での安静時複合筋活動電位(CMAP)の振幅低下と強収縮後の手筋で測定したCMAPの増大がLEMSの診断に有効である[21]。
血清検査で抗P/Q型VGCC抗体を測定する。陽性で診断確定となるが、約15%の症例が陰性となるため、陰性の場合でも診断が否定されないことに留意する[47][48]。2021年よりLEMSの診断検査でVGCC抗体検査が保険適応となったが、VGCC抗体測定時には電気生理学的検査が必須となっている。
当疾患では肺癌などの悪性腫瘍が原因であるため、当疾患を疑った場合は並行して悪性腫瘍の検索をすることが重要である。
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1: 中馬越清隆先生ご提供