筋無力症状、自律神経症状および小脳失調症状の訴えからLambert-Eaton筋無力症候群(LEMS)を想起する。問診で中毒や先天性等を鑑別する。当疾患では誘発筋電図検査が必須である。低頻度刺激での漸減現象は重症筋無力症でも認められるため、複合筋活動電位の振幅低下、高頻度刺激または短時間運動後では漸増現象所見の合併を得ることが必要となる[46][47]。運動神経伝導検査での安静時複合筋活動電位(CMAP)の振幅低下と強収縮後の手筋で測定したCMAPの増大がLEMSの診断に有効である[21]。
血清検査で抗P/Q型VGCC抗体を測定する。陽性で診断確定となるが、約15%の症例が陰性となるため、陰性の場合でも診断が否定されないことに留意する[46][47]。2021年よりLEMSの診断検査でVGCC抗体検査が保険適応となったが、VGCC抗体測定時には電気生理学的検査が必須となっている。
当疾患では肺癌などの悪性腫瘍が原因であるため、当疾患を疑った場合は並行して悪性腫瘍の検索をすることが重要である。